今日はスーパーでお菓子を大量購入してきました。
とある事情でグリコのマーケティング戦略について調べているためです。
スーパーはデザインとマーケティングのリサーチをするのにとても楽しい場所です。
沢山の商品パッケージのデザインに触れることができますし、棚にどのように陳列されているのかを見ているとその時その時のお客さまのニーズや企業が何を売り出そうとしているのかがよく分かります。
また、スーパーがどのようにして売り上げを上げようとしているのか、という点も注意して見てみるととても面白いです。
目次
野菜売り場が一番入り口の近くにあるのはなぜ?
大体の場合、スーパーの動線はどこも同じように設計されています。
・野菜売り場が入り口付近にある
・お肉やお魚は外周沿い
・調味料や日用品は内側
・お菓子は内側やレジの前
なぜこのようになっているか?
それは、下記のようにお客さんを誘導するためです。
- まず、野菜コーナーで「今日の献立」を決めてもらう。
- どの献立でもほとんどの場合お肉もしくはお魚が必要なので、それを奥(外周)に持ってくることでお店の奥にお客さまを誘導する。
- そこからレジまでの途中に調味料を置くことで「書い忘れ」を防ぎ
- 一番お客さまの優先順位が低いお菓子は内側、もしくはレジの近くに置くことで「ついで買い」してもらえるようにする。
こんな流れになっています。
この基本の流れを頭に入れた上でスーパーの陳列を見ていると、「なるほどこれをここに持ってくるのは多分こういう意図があるのかな、、」とスーパー側の意図を予測することができます。
どんな商品が棚を占めている?
商品の陳列を見ていて、特定の商品(シリーズ)が棚一列を占拠していたりすると、「ここのメーカーさん今これを打ち出そうとしているんだな、、」というのがよく分かります。
最近だと「アタックZERO」の陣取りはすごかった、、、^^;
花王の本気を見ました、、笑
また、今日改めて見ていて感じたのはお菓子売り場は勢力図がとても分かりやすいということ!
ビスケットのグリコ、チョコレートの明治、ガムのロッテ、スナック菓子の湖池屋&カルビー、などなど。
パッケージデザインの分析
そして沢山あるパッケージを見てどんな戦略でその商品を売ろうとしているのかを分析するのがとても楽しい。。
グリコの「CRETZ」
今日買ったものの中ではグリコのCREATZのパッケージがとても良いなあと思いました。
よく考えられているなあと思います。
商品よりも「ビール」がデカデカと載っているので「ビールと一緒に」というのが一目で分かる。(私はお酒飲まないですが、、)
「こういう時に買ってほしい」というのがとってもわかりやすいです。
明治の「明治 THE CHOCOLATE」
チョコレートではパッケージのリニューアルの成功例として有名な明治の「明治 THE Chocorate」は本当に素晴らしいですね。
他にはないシンプルなデザインにして、かつ陳列棚にシリーズ商品を並べて面積を取ることができたのが勝因だという話を聞いたことがあるのですが、
実際に店舗で置かれているのを見ていて感じるのは、あれは縦長のパッケージなのがポイントだったんじゃないかなあと。
海外の板チョコは縦型が多いので、海外展開を見越しての縦型だそうなのですが、その日本では逆に珍しい「縦型」が良い方向に転じたんじゃなないかなと思います。
日本の板チョコはほとんどが横長のパッケージなので、縦型ってそれだけでめっちゃ目立つんです。(ぜひスーパーのお菓子売り場に行った際に確かめて見てください)
しかも「THE Chocorate」は縦長のパッケージに縦長のカカオが載っているので余計に「縦」が強調されて目立つ。。
同じようなデザインテイストのパッケージで、同じようにシリーズを陳列していても、「横長」だったらおそらくあそこまで印象が強くならなかったのでは、、。
パッケージについて考えるのは楽しい
パッケージデザインは自分の専門分野ではないですが、沢山ある商品の中でその商品を際立たせるにはどうしたらいいか?というのを考えるのはとても楽しいですし、良いトレーニングになります。
生活すべてが勉強の場
デザイナーは日常生活のすべてが勉強の場になり得るなと思います。
「デザインされていないもの」ってほとんどないからです。
デザインのセンスを磨いたり、引き出しを増やすのには、何も特別な場に出向いたりする必要はなく、いかに普段の生活であらゆることを「デザイン」のメガネを通して見るか、だと思います。