7payが開始からわずか3ヶ月でサービス終了となりました。
モバイル決済サービス「7pay」で不正ログインの被害が相次いだ問題で、セブン&アイ・ホールディングス(HD)は8月1日、同サービスを9月30日で終了すると発表した。
〜〜〜一部割愛〜〜〜
セブン&アイHDでデジタル戦略推進の指揮をとる清水健執行役員(デジタル戦略推進本部 デジタル戦略部 シニアオフィサー)も、「(7payの)システムの開発チームを横断して束ねられていなかった」と、マネジメントに課題があったことを認めた。
清水氏によると、7payのシステムは各機能を複数のプロジェクトチームが開発していた。それぞれのシステムを俯瞰し、全体像を検証する作業がおろそかになっていたという。
この、全体像の検証がおろそかになるという現象、
デザインでもよく起こっているなあと思います。
全体を見ずに部分から作り出す怖さ
私はよくデザインを「家づくり」に例えるのですが、
家を建てる時って、まず家全体の設計図を作りますし、
いざ工事の段階に入っても、
地盤調査→地盤の改良や補強→基礎工事→構造材の組み立て→躯体工事→屋根工事→床下地工事→外装工事→内部下地工事→内部仕上げ工事(床)→塗装工事→内装工事(建具、家具)→照明→設備器具の設置→竣工検査と、
と、全体を見ながら、土台→骨格→細部の順番で作っていきます。

これが、全体像を把握せずに部分最適化してしまうと、後々問題が起こる事は想像に難しくありません。
想像してみてください、、
設計図なし(構造計算なしに、行き当たりばったり)で建てられた家を。
どんなに見た目がオシャレっぽくても、正直住みたくはありませんよね。。
デザインでも、それは一緒です。
全体を最適化することが大切
デザイナーは「デザイン」を、「ビジネス」の一部分だと考え、ビジネスを全体最適させるデザインはどういったデザインなのかということを考える必要があります。
ビジネス上の目的を果たさないデザインは、例えそれが部分的には最適化されていても(例えばとても美的に美しかったりしても)、意味がありません。
例えば「ホームページ」。
ボタン1つのデザインがいかに綺麗にできているかどうか?よりも、そのホームページが全体として「目的」を達成しているのか、の方が大事です。
デザイナー一人がセブンペイのような被害者数808人、3861万円といった巨大な被害を生み出す事はそうそうないかもしれませんが、
それでもお客さまの大事なお金や時間を預かっているということには変わりありません。
お客さまに不利益な事があってはならないですし、
自分と一緒に仕事をしていただくからには何かしらお客さまのビジネスのプラスになるお仕事をしたい。
そのためには、ビジネスの全体を俯瞰した上で、自分がデザイナーとしてどのような役割を果たすことが求められているのか、を考える事がとても大切です。
私がデザイナー養成講座の受講生さんに、マーケティングの知識もお伝えしていっているのは、そのためです。